第40回定期総記念講演会「インフォデミック時代におけるフェイクメディア克服の最前線」を開催
日時
令和6年10月30日(水)
場所
ホテル メルパルク名古屋 2階 瑞雲西の間
内容
[講演]インフォデミック時代におけるフェイクメディア克服の最前線
講演概要
1.精巧なフェイクメディア
現在、人間由来の情報を用いたフェイクメディアでは、人の虹彩や髪の毛まで再現され、画像を拡大してもフェイクと判別できないことから、多くの人が本当に存在している人物だと錯覚を起こしている。
また、人間由来の情報をAIが学習し、このような精巧なフェイクメディアが容易に生成され、人を騙すことに使われることが多くなってきたことなどについて紹介があった。
2.フェイクメディアの検出
私達の研究グループは、世界で初めて、AIを利用してフェイク画像を判別するモデルを発表し、後発の論文の多くに引用されている。
研究当初は、AIに学習させるフェイク画像を集めることも苦労したが、その後、どこが改ざんされているか検出することで、どのような方法で改ざんされているかを推測できるところまで研究を進めてきたことについて紹介があった。
3.インフォデミックの克服の背景と今後の課題
新型コロナウィルス感染症拡大中には、科学的根拠の無い予防法、治療法など多様なフェイクがサイバー空間に流れた。今後、こうした事態が発生すると、社会に恐怖や混乱が生じること(インフォデミック)から、その対策としてフェイクの検出技術の高度化と無毒(リアル復元)化を提案し、国の戦略的創造研究推進事業の採択を受けた。
今後の課題として、フェイクメディアを対象とした研究基盤を構築し、国内の技術力を底上げする必要性があると講演があった。